中国の故事成句です。「井戸の水を飲む際には、井戸を掘った人の苦労を思え。」という意味で使われます。
田中角栄総理(当時)が最初に取り組んだ大仕事が中国との国交正常化です。1972年9月29日、日本は中国との共同声明に署名調印し、正式に国交を回復しました。中国は田中角栄元総理がロッキード裁判の被告となった後も敬意を払い続け、1978年に鄧小平が、1992年に江沢民が田中角栄元総理のもとを表敬訪問したそうです。
私は今年の9月8日から11日まで中国の北京の中日友好医院で行われた国際シンポジウムに招かれ、肝細胞癌におけるサルコペニアの臨床的意義について発表させていただきました。京都大学の上本伸二教授、名古屋大学の梛野正人教授、順天堂大学の石崎陽一准教授とともに招待していただきましたので、私にとってこの上もない名誉なことでした。この件に関しましては上牧温泉病院の麻興華先生にお骨折りをいただきました。
中日友好医院は1984年当時最新鋭の設備を備えた1500床の病院として、中曽根康弘首相(当時)の肝いりで開院が進められたそうです。私は外科部長の杨先生をはじめの皆様から大歓迎を受けました。私が九州大学出身というお話をしましたところ、「開院当時九州大学から伊藤英明先生(後に産業医科大学第一外科教授)、萱島孝二先生などが1年間赴任の上、手術の指導をしていただいたことに今でも感謝しています。」という話をお伺いしました。特に萱島先生はご子息が私達の九州大学消化器・総合外科の肝チームの一員として共に働いた仲(萱島寛人君)ですし、実際にお父様も存じ上げていましたので、特に感慨深く感じました。
私達も「飲水思源」の感謝の気持ちを忘れないことが大切だと思いました。