平成28年7月28日に提出された事故調査委員会の報告書は以下の文章で結ばれている。
「群大病院において指摘された問題点は、日本全国の病院にも多かれ少なかれ存在すると考えられる。まさに本委員会の提言によって、「すべては変わった、群大病院の医療は完全に変わった、群大病院の経験によって日本の医療は変容する」となることを祈念してやまない。
特に本件を貴重な先例として、これまで我が国の医療界では議論が不足していた「日常診療の中に標準から逸脱した医療が登場した場合、それを早期に発見し、より安全な医療へと是正する自浄的な取り組みをするにはどうしたらよいか」という命題に対し、医療界の叡智を集めて解決することが求められる。そして、まさに近い将来、その命題に対し、「群大病院に学ぶ」として、多くの医療機関の改革が実現していくことを期待する。」
群馬大学の肝胆膵外科は群大病院の改革の一つとして新たに発足した診療科でありますが、今回の医療事故が群馬大学医学部附属病院における肝胆膵外科手術に起因していることを考えれば、私達はこの提言に対して真摯に取り組み、安全な医療を展開する重い責務があると感じております。
この報告書は掲げられた提言を言葉通り実行すればよいというものではなく、群馬大学医学部附属病院が安全な医療の規範となることを求めています。そのことを考えれば私達の所属する肝胆膵外科は改革の先頭に立たねばなりません。
私達、肝胆膵外科のメンバーは誠心誠意、個人的にも、チームとしても学び、結果として安全な医療を実践していくことを誓います。今回の医療事故に関して今、私共ができるもっとも重要なこと考え、努力を惜しみません。
「Trust is bult brick by brick.(レンガのひとつひとつを積み上げることでしか信頼はえられない。)」という言葉があります。私共は群馬大学における肝胆膵外科の診療が患者さんお一人お一人から信頼されるために、努力を続けてまいります。
群馬大学医学部附属病院外科診療センター肝胆膵外科の医療安全宣言
私たち、肝胆膵外科のメンバーは、患者さんに安全で信頼される質の高い医療を提供することを目標として、最大限の努力をいたしします。