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教授コラム

教授コラム Vol.9「特別講義『群大生へのエール-Meet the Experts』の御挨拶から」

平成28年8月31日16:30~17:30
 群馬大学アメニティー講義室

この特別講義は笠原群生先生からの私への1本のメールから始まりました。今年の7月だったと記憶しています。そのメールの内容は今回の医療事故や報道で群大生は意気消沈しているのではないか。不安に思っているのではないか、と心配され、群大生を勇気づけ、元気をだしてもらうために講演会ができないかというものでした。本日の演者の斎藤 豊、笠間和典 両先生ともお話しされて、3名で手弁当でいくので是非講演会を開催できないかというものでした。
このような「無私」の申し出はまさにお三人の「群馬大学への母校愛」というべき尊いお気持ちの発露と思いました。是非とも実現しなければならないと強く思いました。結果としてコーディネーターとしての役割をお与えいただき、私自身本当に光栄に思っています。この講義の実現には医学部長の峯岸 敬先生、教務委員長の小山徹也先生、病態総合外科の桑野博行先生からの御指導、ご鞭撻、事務の國松太郎様、教室の若手の先生方、秘書の皆さんやそのほか多くの皆さんから温かいご協力をいただきました。この場をお借りして皆様に心より御礼を申し上げます。
このような「無私の心」は人を動かします。このような心に基づいた地道な努力が大切です。このような気持ちを結集していければ必ず群大はよくなっていくと私は確信しています。

ご挨拶から

群大生の皆さん、こんにちは。今日はたくさんの方々に集まっていただいてありがとうございます。
皆さんもすでに報道などでお聞き及びの通り、群馬大学は医療事故のために社会からの信用を失っています。
私達は信頼の回復のために何ができるでしょうか。目の前の一人一人の患者さんのために最善の医療を提供する、信頼回復のためにはこれしかないと思っています。私達は日々患者さんのために最高の医療を提供しようと若い先生方と必死に取り組んでいます。今後とも取り組んでいく、このことはみなさんに約束します。だから、どれくらいかかるかはわからないけれど、必ず、信頼を回復することができると確信しています。そしてこのような社会の逆風の中で、必死に取り組んでいる若い医師たちや医師以外のメディカルスタッフは群馬大学の宝だと思っています。
群馬大学にはもうひとつ宝が残されています。それはなんでしょうか?
それはあなたたち、学生さんです。100名近い医師が群馬大学を卒業し、医師になります。あなたたちには無限の可能性があります。一人一人が必死に努力して患者さんから感謝をされれば必ず群大の信頼は回復されると確信します。しかし、宝とはいっても自分たちを磨かれなければ原石のままです。ですから医師として努力をして自分自身で自分を磨いていかねばなりません。
本日集まっていただいた3名の講師の先生方は、それぞれの領域で今、世界のトップを走っている群大の卒業生たちです。彼らが学生の頃、とても授業を一番前でまじめに聞いていたとは思えません(失礼をお許しください)。しかし、卒業して医師となり目の前の患者さんの病気を治そうと必死に勉強し、技術を磨き、必死に自分を磨いてきたのだと思います。その結果、世界をリードするパイオニアとなりました。必死に頑張っているうちに気付いたらそのような立場にいたといった感じかもしれません。本日の講演では頑張れば世界は意外に近い、君たちにも必ずできるということを教えてくれると思います。