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活動記録

報告:日本臨床外科学会 国内研修制度

この度、日本臨床外科学会の国内外科研修制度に群馬県外科医会会長(群馬県支部長)の調 憲先生に群馬県代表として選出していただき、外科研修をさせていただくことができました。
2018年11月12日(月)より11月30日(金)までの期間、九州大学大学院消化器・総合外科におきまして、外科研修を行わせていただきました。私の師事している桑野博行先生、調 憲先生の出身された医局であり、肝移植においては日本で随一の症例数を誇っており、さらに全国学会等で九州大学大学院消化器・総合外科の先生方のご発表や数多くの論文を拝見させていただき、同講座での研修を希望させていただきました。森正樹教授をはじめ、教室員の先生方に温かく迎えていただき、丁寧な御指導を賜り充実した研修を送ることができました(写真1)。
講座の吉住朋晴准教授には、研修期間中に多大なるご配慮をいただき、見学を超えた参加型の濃厚な研修の機会を与えて頂いたことを感謝申し上げます(写真2)。

  • 外科研修の様子1
    写真1
  • 外科研修の様子2
    写真2

研修期間中は主に肝胆膵外科の手術について学ばせていただきました。生体肝移植の手術を2件、肝切除を3件、腹腔鏡下脾臓摘出術を2件、膵全摘術を1件、下部胆管癌に対する膵頭十二指腸切除を1件と移植外科、肝臓外科、胆膵外科、門脈圧亢進症外科までの幅広い分野にわたり数多くの肝胆膵外科手術を経験させていただきました。九州大学大学院消化器・総合外科・肝グループの先生方には多大なるご配慮を頂き、生体肝移植手術を含め幾つかの手術においては、実際に手洗いをし、手術に参加させて頂く機会まで与えて頂きました。
私自身は今回の研修において特に生体肝移植の手術・周術期の経過について勉強したいという思いがありました。今回は3週間の研修期間を頂けたことで、生体肝移植患者においては、術前管理から周術期管理、さらに状態が安定し術後リハビリの段階まで見させて頂くことができました。手術手技に関しては、レシピエントの肝機能障害に起因する著しい易出血状態に対する繊細な手術手技を、ドナーに関しては限りない低侵襲を意識した肝切除を見させて頂きました。周術期においては、通常の肝胆膵外科の管理とは異なる特殊な管理(輸血のタイミング、ステロイドの投与、免疫抑制剤の使用の仕方、抗生剤の選択、ドレーン管理など)についても経験させて頂くことができました。
今回の研修においては臨床面だけではなく、研究に関することも学ばせて頂くことができました。今回の研修期間に、ちょうど九州大学消化器・総合外科の定例研究報告会(年2回程度行われているそうです)があり、大学院生が取り組んでいる基礎研究や、スタッフの先生方が行われている臨床研究に関して、勉強させて頂くことができました。多忙のなか非常にハイレベルな研究がされており(本年の業績報告も行われており、論文数、impact factorともに素晴らしいものでした)、私自身も大きな刺激を受けました。
今回の研修を通じて私自身、今後の肝胆膵外科医として成熟していくうえで、大変重要な体験となりました。今回の臨床外科学会の国内研修制度に参加させていただくにあたり、日頃よりご指導いただいております群馬大学病態総合外科の調 憲教授にご推薦を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。また日頃より多忙の中、私が不在となったことでご迷惑をおかけした群馬大学肝胆膵外科スタッフの皆様にこの場をお借りして御礼申し上げます。

渡辺亮