Seoul National University Hospital (SNUH) Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery 訪問
12月2日、ソウル大学病院へ手術・施設見学に行ってきました。
肝胆膵外科・移植外科で年間150例の肝移植をされているDr. Lee Kwang-Woongに案内をしていただきました。
ICUにて当日の手術症例の概要を説明していただいた後(門脈圧亢進症患者の生体肝移植の手術でした。)、ICUの回診を見学させていただきました。
その後、手術室へ案内をして頂きました。日本と違ったのは、韓国では肝機能の比較的よい症例は生体肝移植を行っており、重症者は脳死肝移植を行っていることでした。そのため、生体肝移植の症例はChild-Pugh Aの症例が多いとのこと、重症者にも生体肝移植をせざるをえない我が国の医療と異なり、移植成績が良好な要因のひとつと感じました。
初めにドナー手術の見学をしました。右葉グラフトの摘出を腹腔鏡下に施行していました。手術開始から、摘出まで3時間弱で終了しました。
その後に、レシピエント手術の見学をしました。レシピエントの手術もたいへんスピーディーでした。5時間弱で手術が終了しました。腹腔鏡下肝切除では3Dモニターを用いており、これを使うようになってうまくいくようになったとのこと。
さらにドナー症例は胆管の走行が複雑な症例でしたが、ICG蛍光法を用いて胆管の走行が透見できて胆管の離断部位決定の参考にしていました。非常によい方法だと思いました。
Dr. LeeやDr. Yiの手術手技は早く正確で素晴らしいものでしたが、それに加え、メディカルスタッフとの連携が大変よく、手術が流れるように進んでいきました。例えば腹腔鏡下肝切除で内視鏡を持っていた助手は看護師さんだったそうで、いわゆるnurse practitionerであったようです。アメリカの医療を参考に発展してきた韓国ならではと思いました。
手術室の職員食堂で頂いた昼食です。美味しかったです。
手術終了後は、病棟にて入院患者のカンファレンスを見学しました。レジデントが検査結果、入院経過などをプレゼンテーションし、指導医がそれに対して指示などをしておりました。カンファレンス風景・雰囲気は日本とよく似ていました。
カンファレンス後、病棟の屋上での記念撮影です。Blue houseやソウルタワーなど市内が一望できるとても素晴らしい立地にありました。
12月2日はソウル大学においてHM Lee Memorial Lectureがあり、ハーバード大学移植外科のDr. Delmonicoの特別講演がありました。こちらも聴講してきました。
特別講演の終了後、Dr. LeeらSNUH肝胆膵外科スタッフにwelcome partyを開いて頂きました。Samsung medical centerの肝胆膵・移植外科医のDr. Jong Man Kimも来られました。
海外での手術・施設見学をさせて頂きました。貴重な機会を与えて頂いた、群馬大学肝胆膵外科学 調教授、九州大学消化器・総合外科 池上先生、誠にありがとうございました。
という点がこの見学をきっかけに学べたことで、我々の施設や、自分自身にどのように取り入れていくのか、これから考え行動していきたいと思っております。韓国の医療スタッフも日本同様に大変なHard workで頑張っていました。たいへん良い刺激になりました。
渡辺亮 記