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活動記録

2016年10月7日の活動記録

この度、日本臨床外科学会の国内外科研修制度に群馬県外科医会会長(群馬県支部長)の桜井芳樹先生に群馬県代表として選出していただき、外科研修をさせていただくことができました。日本臨床外科学会会長の跡見裕先生、国内外科研修委員会委員長の高山忠利先生をはじめとした委員の先生方にも、心より御礼申し上げます。
2016年8月22日(月)より9月9日(金)までの19日間に渡り、和歌山県立医科大学外科学第二講座におきまして、外科研修を行わせていただきました。全国学会等で和歌山県立医科大学第二講座の山上裕機教授や同講座の先生方のご発表や数多くの論文を拝見させていただき、同講座での研修を希望させていただきました。山上裕機教授をはじめ、教室員の先生方に温かく迎えていただき、丁寧な御指導を賜り充実した研修を送ることができました。同講座の川井学准教授には、研修期間中の生活の面でも多大なるご配慮をいただき不自由なく研修生活を送ることができたことを感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
研修期間中は主に肝胆膵外科の手術について学ばせていただきました。膵臓手術では、膵頭十二指腸切除術を4件(うち1件は門脈合併切除の症例)、膵体尾部切除術を3件(腹腔鏡下膵体尾部切除術;2件、腹腔動脈合併膵体尾部切除術:1件)、膵全摘術を1件と数多くの膵切除術を見学させていただきました。学会等でもご発表されているmesenteric approachや膵空腸吻合時の水平マットレス縫合等の手術手技を実際に手術に参加して体験することができ、また手術手技の合間には丁寧に御指導を賜り非常に多くのことを勉強させていただきました。術後管理においては、ドレーン管理や抜去の方針等を中心に周術期管理に関しても、丁寧な御指導を賜り大変勉強になりました。
肝臓手術では、肝右葉切除術を1件、中央2区域切除術を1件、肝部分切除を3件(うち1件は腹腔鏡下肝部分切除術)、見学させていただきました。肝切除術における手順や、各種エネルギーデバイスの種類や使用方法等の手術手技に関することや、術後の輸液管理を含めて周術期管理の方針等を御指導いただき大変勉強になりました。
術前術後の検討会や全体回診、臨床研究・基礎研究に関するカンファレンスや研究会、他の科との合同カンファレンス等にも参加させていただくことができました。術前術後の検討会では、手術の方針に関しての確認や術後に手術内容の確認を、若手外科医への指導の意義も含めて行われており大変勉強になりました。臨床研究や基礎研究に関しましては、より良い膵癌治療の追求という観点で、ランダム化比較試験や多施設合同での臨床試験等を企画し施行されていて、これらを通して現状での疑問点を解明していくというような考え方を学ばせていただきました。他科との合同カンファレンスに関しても、症例毎に外科内科での各々の考え方を相談して治療方針を検討されていて、良い経験をさせていただきました。
今回、3週間と比較的長い期間であったため、術前管理から周術期管理、また見学した患者が術後のリハビリを行い、退院されるまでと術後経過に関しましても見学させていただきました。このような機会を通じて、他大学の外科教室での手術手技、周術期管理、また基礎研究や臨床研究に関する方針を直接体験させていただき、新しい考え方や方法を学ぶだけでなく、これまで行ってきた治療方針や研究の方向性といったことに関して、再考させていただく良い機会となりました。自分が所属する部署に戻り、群馬大学肝胆膵外科内で報告会等を通じて、学んできたことを少しでも活かせるようにしていきたいと考えております。
日本臨床外科学会の国内臨床研修制度に参加させていただき、私の外科医としてのキャリアの中で生涯忘れることのできないかけがえのない経験となりました。また今回の臨床外科学会の国内研修制度に参加させていただくにあたり、日頃よりご指導いただいております群馬大学病態総合外科の桑野博行教授と、群馬大学肝胆膵外科の調憲教授にご推薦を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。また不在となった期間中を支えていただいた肝胆膵外科スタッフの皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。

群馬大学医学部附属病院 外科診療センター 肝胆膵外科
久保 憲生

  • 外科研修の様子1
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